ワープハウスバカ一代

2020年11月04日

第14回「REACTというレーベルについて」

Warp Your Body。DJイオです。
今回もワープハウスについて書いていきたいと思います。
取り上げるのは REACT というレーベル。




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REACT とは

あまり詳しくはdiscogsにも載って無かったのですが、トーマス・フォーリー(Thomas Foley)とジェームス・ホロックス(James Horrocks)の共同所有レーベル。最初のリリースは1991年。老舗ですねー。discogsによると735枚ものCDとレコードをリリースしていたようです。多い!






サブレーベルも豊富で
Artcore、Bonkers Records、Dope On Plastic、Dope On Plastic!、Grin Music Ltd、House Nation、International DJ Syndicate、React America、React Test、Reactivate、Real Ibiza、Rush Hour
などと連なっていきます。
Bonkers Records なんかは昔のハッピーハードコア好きにも知られていると思います。

また、他社からライセンスしてきた曲のコンピが異常に多いレーベルでもありまして、dub や artcore、breakbeats、UK Garage、happyhardcore や gabba などもリリースされていますが、基本的にはワープハウス(ハードハウス)っぽいリリース以外は取り上げずに進みます。
という事でよろしくお願いします。


まずは 1995年のリリースから。




Blu Peter - Magic(Original Mix)






Blu Peter はウェールズのニース出身。1988年からナイトクラブ「Heaven」のバーで DJ をしていた時にブレイクし、1990年代半ばに Garage のレジデント DJ として活躍した人物です。
かなり早めのハードハウスです。前回紹介した HOOJ とは対照的かもしれません。
CD でもリリースされてます。




Mrs Wood - Joanna(Original Mix)






Mrs Wood はバーンスリー出身で、1990年から DJ とトラックメイクを行っています。男性が多いハードハウス業界の中でも活動を続け(当時、日本以外の UK などではゲイ向けの音とされていた)、この Joanna はスマッシュヒットとなり 1995年リリース以降も何度かリミックスが作られ、2004年にリミックスが出ています。
この曲も CD でリリースされてます。




Reactivate 10 - Snappy Cracklepop Techno | Discogs




REACT が定期的に出すコンピシリーズ。1995年の時点で既に 10枚目です。ジャケットの通り通称「カニ」と言われてしました。
DJ Misjah & DJ Tim - Access などアシッドなハードハウスから Komakino - Can't Stop など爽やかな曲まで収録してます。




Komakino - Can't Stop






Komakino はジャーマンテクノをメインに 1989年から活動していたユニット。元々は Maddog というレーベルからリリースされたものを REACT が CD に収録したようです。
ピアノブレイクが特徴的な曲です。




Café Del Mar - Ibiza - Volumen Dos (1995, CD) | Discogs




その後もコンピ CD の Cafe Del Mar がリリースされます。REACT は当時としては珍しく CD もがんがん出していく方針でした。
一曲目はなんと Silent Poets!しかも Dubmaster X のリミックスからスタート!




Silent Poets - Moment Scale(Dubmaster X Remix)






最後は「Sabres Of Paradise / Haunted Dancehall」で締めです。渋めのコンピですな。
ワープハウスの記事なので紹介しなくても良かったんですが、こういうのもあるよって事で。




React Showcase CD (DJ Magazine May 1995)


React Showcase CD (1995, CD) | Discogs




そしてほどなくして、「Various - React Showcase CD」がリリースされました。タイトル通りの CD です。MixCD なのでセパレートじゃないのが DJ 的には残念。


1996年に入り、Blu Peter の新譜が発売されます。またこの年は CD でのリリースがかなり増えています。




Blu Peter - The Pictures in Your Mind






ハードな音を好む彼にしては珍しい歌物となってます。

そして、「Mrs Wood Featuring Eve Gallagher - Heartbreak」(以前のシングルほどは売れていなかった印象)がリリース、ちょくちょくシングルを出していた GTO のミニアルバムが発売され、seb というハッピーハードコアのシングルがリリースされます。
その後はドラムンベース(アートコアというジャンル特集)のコンピもリリースされました。

更には




Jeff Mills - Live At The Liquid Room - Tokyo (1996, CD) | Discogs




Jeff Mills の MixCD までリリース!(Jeff Mills の MIX-UP の海外版。情報提供 DJ BUG 氏))なんかもリリースしていました。

ここからはワープハウスっぽいのを厳選して紹介していきたいと思います。




Mrs. Wood & Blu Peter - Bitter & Twisted






Mrs. Wood & Blu Peter によるMixCD 2枚組です。アシッドハウスから始まり、だんだんハードな NU-NRG になっていく展開。




Reactivate 11 - Stinger Rays and Techno Beats


Reactivate 11: Stinger Beats & Techno Rays (1996, CD) | Discogs




REACT のコンピ、Reactivate 11 がリリースされます。Mix 担当は Choci。ハードな路線の Choci's Chewns を展開していた人物です。
Baby Doc なども収録されていてハードな音の MixCD になっています。
(Babt Doc・・・UK Hard House / Trance のプロデューサー)

ここからは 1997年のリリース。




Age Of Love - The Age Of Love(Flying Mix)






もはや色んなレーベルから出すぎてしまった Age Of Love がこの 1996年に REACT からリリースされます。
初出は DiKi Records から 1990年のリリース、そのあと 1992年に REACT からもリリースされてます。なので REACT からは 2回目のリリースという事になります。
ここでしか入ってないと思われる Flying Mix を紹介。




Sundance - Sundance






某 DJ KITA 氏が大好きな SUNDANCE が遂にリリース!REACT からだったんですね。
朝 5時近辺によくかかる所謂朝方系の曲として有名です。
ユニット名でも曲名でもある SundanceはMark Shimmon & Nicholas Woolfson のユニット、何故かこのリリースの後はそんなに曲数を残していないようです。

ちなみに元ネタはこちら。




THE SABRES OF PARADISE - SMOKE BELCH II






S-J - I Feel Divine(Tall Paul Mix)






このシングルは Baby Doc や Steve Thomas がリミックスしてたりとなかなか豪華なのですが、ワープハウス勢としては Tall Paul を紹介。
S-J は Sarah Jane が行っているユニットで、この後数枚出して 2014年を最後にその後は姿を見せていません。



Reactivate 12 Mixed by Blu Peter (Full Album)


Reactivate 12 (Pulsing Sub-Aqua Vibrations & Thumping Jello Beats) (1997, CD) | Discogs




そして Reactivate 12 が発売します。最初の曲は「Vincent De Moor - Flowtation」となっていたのですが聴いてみるとあれ?と知らない曲っぽい・・・
後半にはトランスで有名になった Arminの曲も収録。


そして既発のアナログの CD 化のリリース化、企画物のコンピが続きます。

GABBA では有名な Technohead 入りのコンピまで!幅広すぎる!




Technohead 4 - Sound Wars The Next Generation (1997, Vinyl) | Discogs




ここから 1998年に入ります。




Mrs. Wood - 1-2-3-4(Vincent De Moor Remix)






Mrs. Wood の新譜が発売。Flowtation で有名な(一般的には 2001年に出した「Fly Away」が一番有名らしいです。)Vincent de Moor のリミックスをここでは紹介します。




The Hellfire Club - Bitch






The Hellfire Club は Baby Doc と S-J のユニットです。これこそ NU-NRG だ!とばかりのハードな音を叩きつけてきます。




Sharkey - Product Of Society(Remixes)






Sharkey は普段ハピコアを作っていますが、それを Sundance が料理した Product Of Society(Sundance Remix)をここでは紹介。
綺麗な歌物になってます。


そしてまた大量のコンピ CD を作っている間に、さらっとリリースされた



Reactivate 13 (Disc 1) (Full Album)


Reactivate 13 (Beats, Chance & Liquid Trance) | Discogs




Beats, Chance & Liquid Trance と自分達で謳っているだけにそんな内容になっています。1998年辺りからトランスに舵を切るレーベルは非常に増えていました。




Reactivate Classics (1998, Vinyl) | Discogs




そして今までの総決算ともいえる 6枚組のアルバムというかコンピがアナログで発売されます。Sundance が入ってないのが少し残念。


ここから 1999年。




Blu Peter - Hello / Relax / Biological Response / Mind Over Matter






なんか変な感じのハードハウス「Relax」を紹介。最初はブレイクビーツですが途中から突如 4つ打ちに変化。シンセの音も何か変でおもしろいです。




Baby Doc - Back To Love / Hard Work






Baby Doc - Back To Love を紹介。ボーカルで S-J が参加。ボーカルは目立たないようにトラック物と言ってもいい塩梅に仕上がってます。




John '00' Fleming - Alpha 5(Olmec Heads Remix)






リミックスは完璧なトランスの音色でこれが UK TRANCE だ!という感じに仕上がってます。
Olmec Heads は Andy Perring, Wes Coggle によるユニット。

原曲を作った John '00' Fleming は 1985からのキャリアの持ち主。2019年にもプログレッシヴハウスをリリースしています。


この後も Blu Peter、Baby Doc、John '00' Fleming などのシングルが続きます。



そして、突然、Candi Staton という 1940年生まれの昔はダンスクラシック、Sugar Hill Records(ヒップホップ初期のレーベル)などからもリリースしていた方のリミックス版がリリースされます。




Candi Staton - Young Hearts Run Free(Robbie Rivera Disco Dub)






リミキサーはディスコハウスの旗手、Robbie Rivera 。ファンキーなのが好きな方は多分好きだと思います。


その後も暫く Candi Staton の別曲のリミックスが続きます。何故なのかはわかりませんが REACT はこのボーカリストを猛烈にプッシュしていました。




Sundance - The Living Dream






そして Sundance の二枚目のシングルがリリースされました。気持ちサビが前作と似ているような。前回よりトランスっぽさが少し増しています。


1998年ぐらいからの REACT のトラックが集まってできた sampler である「Various - React Test Ten」もリリースされます。




React Test Ten (1999, CD) | Discogs




以外な所だと Ian Pooley(の Dave Angel Remix)なんかも収録されてます。

そして恒例の




VA / Reactivate 14

(Disc 1)


(Disc 2)





も発売されました。今回はザリガニ。2枚組の Trance、Techno、Progressive Trance などになってます。


そしてそして、この後に SHARP のリミックスアルバムが発売されます!3枚組のアナログです。SHARP じゃなくて REACT でリリースだったとは!アナログで部屋のどこかにはあるはずなんですが、見つからず・・・。




Sharp Vs. Sharp | リリース | Discogs




イチオシは Josh Wink - Higher State Of Consciousness(Sharp Mix)ですがネット上に上がってないのでご想像におまかせします。
代わりにこちらを。




Shawn Christopher - Another Sleepless Night(Sharp Razor Remix)






Reactivate も 15 が発売します。今回は・・・サメ?




Reactivate 15

(Disc 1)


(Disc 2)

Reactivate 15 - Harry The Hammerhead's Pounding Trance Jawbreakers (1999, Vinyl) | Discogs




2枚組です。



そしてここから 2000年に入ります。世間はもはや UK ハードハウスよりほぼトランス一色に染まっていたイメージがありました。

Blu Peter、John '00' Fleming、などのリリースが続き、Antarctica という新人が出てきます。あまり情報がなく、2000〜2001年にかけて REACTで リリースをしたという記録しか残されていません。




Antarctica - Adrift(Cast Your Mind)






曲は綺麗なプログレッシヴハウスです。

2000年、REACT はプログレッシヴハウスを量産していきます。


と共に今までにリリースした音源が収録されたコンピ CD も発売します。




Best Of Reactivate | リリース | Discogs




Belgian Techno、Techno Trance、Nu NRG Trance の 3枚に分けられた CD です。
T.99 - Anasthasia(Original Mix)なんていう昔の曲まで!これが今までの REACT だ!って事なんでしょうね。


そして恒例の Reactivate シリーズも 16 に。今回はイルカです。



Reactivate 16 Mixed By Darren Pearce


Reactivate 16 | リリース、レビュー、クレジット | Discogs




Mix は Darren Pearceです。1999年から 2001年に活動したという以外あまり情報がありません。

REACT はこの後コンピも量産します。
「21st Century Deep Trance(3枚組 CD)」、「21st Century Trance.2(3枚組 CD)」、「Bora-Bora Ibiza > Day And Night(2枚組ミックス CD)」
といったなか見逃せないコンピがっ!!!




Simon Eve - 21st Century Hard House (2000, CD) | Discogs




豪華 3枚組 MixCD です。Knuckleheadz、Steve Thomas、OD404、Captain Tinrib、BK、Karim などが作ったハードハウス関係の音源がぞろり。


その後
Various - Reactivate 17
も発売します。今回は・・・サソリ?




Reactivate 17

(Disc 1)


(Disc 2)

Reactivate 17 | リリース、レビュー、クレジット | Discogs




今回は今までの CD では名前を見なかったアーティストがかなり取り入れられてる CD になっています。




DJ Natron & Reverb presents Flutlicht - Ahmea(Original Mix)






といい、トランスが多めの選曲になってます。

そしてミレニアムイヤー 2000年も終わり、REACT のリリースは今後も続いていくのですが、本連載で取り上げるのはここまで!

REACT は 2004年までは活発に活動しているのですが、それ以降の活動は急激に減り、2011年までリリースがありませんでした。
その後もリリースは年 1枚といった所で、2018年以降リリースはありません。

色々なジャンルの総合商社としての REACT、UK ハードハウス(狭義としてのワープハウス)、プログレッシヴハウス、トランスの REACT と多角的な面を持っているレーベルだなと今回感じました。
いやしかしこんなにもリリースしているとは・・・という事で今回はこの辺で。次回のレーベルは考え中です。

また、Blu Peter のインタビューが昔の LOUD から発掘されたので、画像だけの頂きもので LOUD の何番かはわからないんですが、載せます。
ちなみに彼は 2回日本に来日、そのうちの 2回目に行ったインタビューです。




★最近はゴアまっしぐらかとおもったかと思ったんですけど、CLUB ASIAでのプレイを聴いた限りそうではないみたいですね。

「最近までゴアにハマってたのは事実なんだけど、それ以上ゴアには何もないと感じてからはゴアにハマルのはやめたんだ。というのも、面白いレコードが限られてて、フライング・ライノなんかにはいいのがあるんだけど、TIPなんかは最近つまらない作品ばかりだからね。今までハウシー・テクノといった流れでやってきたんだけど、現在はドライブ感のあるヨーロッパのテクノ・トランスに自分の持っているものを組み合わせて自分を出していってるんだ。僕のプリティーなテイスト、美しかったり、ヒプノティックなものをね」

★こうしたスタイルに落ち着いたのはMAYDAYなどのビッグ・パーティでプレイした事が要因になってたりするんですか?

「いいや、それは関係ない。スタイルが変化していったのは去年ぐらいからで、NU-NRGのシーンがどんどんCHEESYになっていったから、僕はテクノやトランスの方向に行ったんだ」

★NU-NRGの第一人者的立場から、どういったことが原因でシーンがCHEESYになっていったと思いますか?

「イギリスのプロデューサーの方向性がどんどん変わってきてると思うんだ。本来NU-NRGの初期は150BPMぐらいの美しいジャーマン・トランスだったんだけど、どんどん単一化して、一番大事なエモーショナルな部分がなくなってしまった。僕が"Godfather Of NU-NRGって言われてるんなら、今僕がかけているのは自分にとってのNU-NRGであるということをみんなにわかって欲しい」

★違った考え方をすれば、ハイエナジーにしてもハウスにしてもゲイ・シーンから生まれたダンス・ミュージックダンス・ミュージックがだんだんポップ・フィールドに取り込まれていったのを考えると、NU-NRGはまさしくその成長過程期にあるとも考えられますよね?

「NU-NRGはもっともっと大きくなっていくと思うし、多くの人が好きになれる要素があると思う。今は丁度、クロスオーヴァーの段階なんじゃないのかな。例えばクラシックが当時の代表的な音楽だとしたら、NU-NRGはハウスやテクノといった今の若い人達に受けている音楽の一つになる可能性がある」

★自身では、今後どんなスタイルものが生まれてくると思いますか?
「難しいなぁ(笑)NU-NRGって答えは期待してないでしょ(笑)」

★ハイ。

「僕自身いつも新しいアイディアを探しているんで、ハッキリと何とは言えないけど、最終的に音楽で大事なのはみんなのREACT(反応)で、REACT、REACT、REACT(笑)どうやってみんなを楽しませるかってことなんだ。それを得るために色んなアイディアを組み合わせていって、僕が求めてる音楽に達する。音楽の長い歴史の中で、昔から今っていう流れじゃなくて、たまには逆になることもあるんだ。そのアイディアから自分のスタイルを作って、何か新しいものをおこすことをやりたい」

★それはJXやミセス・ウッド、そしてあなたの「The Pictures In Your Mind」などに見られる80年代ユーロテイストの作品にも当てはまりますか?

「僕は80年代というよりドナ・サマーの「I Feel Love」を意識したんだ。ベース・ラインのローリングする感じや、ボーカルが浮遊してる感じのをね」

★あの曲でボーカルを取ってるAKIRAって何者ですか?

「彼女はリヴァプール出身で、名前はエレインというんだ。彼女はマンガが大好きでね(笑)

★ナルホド。
「でも、「AKIRAは男の子の名前だろ?」って話になったんだけど、その子は男の子のような女学生って感じだったんだ。彼女は日本にも6カ月住んでたことがあって、大の日本好きだよ」

★彼女って他にどんな作品に参加してた人なんですか?

「ゴメン、覚えてない。でも、彼女は僕の曲にフィーチャーされてから、自分のボーカルに自信を持ったよ。この作品を録音したのは去年の12月なんだけど、この時、彼女がトランスやテクノの曲にトライするのは初めての経験だったんだ。彼女は日を増すごとに一生懸命にやって最後に声が出なくなるまで頑張ってくれたよ。結果として、REACTが望むほどの成功は収めなかったけど、僕や彼女にとってはすごくいい作品が出来たと思ってる。」

★ミセス・ウッドにも聴いたんですけど、D-CODEのケヴィン・ホワイトと作業を辞めてしまったのには何か理由があるんですか?
「僕らの間にギクシャクしたものはなかったんだけど、彼のマネージャーがELEVATERが大成功したことによって今後の可能性を見出したことが原因なんだ。僕はアンダーグラウンドで成功したのがすごくうれしくて、このままアンダーグラウンドな活動を続けたかったんだ。でも、彼は「このままシングルを2枚ぐらい出せばもっと成功するよ」って言いだして、ケヴィンをけしかけたんだ。この話もっと出来るけどしていい?」

★いいですよ(笑)

「今までのキャリアを振り返ってみると、僕にはマゾヒスティックな性格があるんじゃないかな(笑)。大きい成功を収めてこれ以上イケルんじゃないか?って思っても、一旦自分を落として、また一生懸命這い上がっていくのが大好きなんだ。僕が去年NU-NRGを止めたのも、続けていけば一番いい時期だったのに、テクノの方に移ってまた頑張ろうかなと」

★思いっきりテクノな曲をリリースする予定はあるんですか?

「テクノはロンドンではそこそこ売れてるジャンルなんだけど、自分のつくるオリジナル・ヴァージョンはオリジナルでなくてはならないんだ。例えば「Magic」にはNU-NRGっぽいフィーリングもあるけれど、オリジナルはすごく独特のものでエクスペリメンタルだと思ってる。僕はテクノとかNU-NRGには拘ってないんだ。それはリミックスでやればいいことだから」

★最近REACTってコンピばっかりで、オリジナル・アルバムはあるんですか?

「REACTのアーティストはキャリア的に浅い人が多いから、アルバムをリリースするには時期が早すぎると思うんだ。僕は来年アルバムを1枚出すという契約をしてるんだけど、僕自身まだ期が熟してないから、全てがうまくまとまる時、例えばレフトフィールドは5年かかったんだけど、それがいいものであれば、それを待ちたいと思ってる」

★スラムも5年かかりましたし、5年間待ちましょうか?

「5年も待たなくていいよ(笑)」

★それではこれからは基本事項を幾つか質問します。まじ、NU-NRGという単語はいつ、だれが付けたんですか?

「確か「Reactive9」(編注:REACTからリリースされた彼がコンパイルしたコンピ)をリリースする頃、この新しい音楽のスタイルにどんな名前を付けるか?ってGENERATOR誌が何人かのDJを集めてディスカッションをしたんだ。その時にNU-NRGという案が出て、僕は賛成した。何故かというと、レコードを買う時、スタイルに名前がある方が買いやすいだろ」
SAWA(CLUB LOVELYオーガナイザー・DJ)「他のDJって誰?」
「ハハハハ。(小声で)トール・ポール、トニー・デ・ヴィット」

★彼らは賛成しなかったんですか?

「全然。彼らはもっとハウシーだったから、アップリフティング・ハウスっていう案が出たけど、僕はもっとトランシーだったからNU-NRGにしたんだ」

★このスタイルが生まれたともいえる<GARAGE>の前にはどこかで回してたんですか?

「いいや」

★<GARAGE>でプレイするようになったのも、DJが休んでいなかったから替わりにやったというのを何かで読みましたけど。

「ミセス・ウッドが1週間ほどロンドンから離れるんで、彼女が「ピーターにやらせたらいいじゃない」って事になって、チャンスが巡ってきたんだ」

★そういう人達と繋がりがあったんですか?

「僕はHEAVENで働いてて、クラブが終わったあとにバーでDJ達とお酒を呑みながら音楽のことを話したりしてたんだ。だからDJをやる前からDJの知り合いは多いよ」

★ちなみに前職は?

「最初の仕事は見習いのシェフだったんだ。飽きるまでの1年ちょっとやったかな。それからサヴォイ・ホテルでもウェイターをやってた。でもすっごい退屈で、その退屈をジョークなんかを言ってお客さんにぶつけてたんだ。高いお金を払って来てるのに失礼なマネをしたよね。僕は働くのが嫌いだから、日本人の17才ぐらいの団体客が来て、セット・メニューを頼めばいいのに、アラカルトでいろいろ注文するから、持っていくときに気を失ったフリをして、全部落としたんだ(笑)そしたら「帰っていい」って」

★最近DJやら何やらでハードワークなのに気を失わないですか?

「ハハハ、そんなことないよ。すごく不思議なんだけど、この仕事で初めて出来るだけ多く仕事をやろうって思ったよ」

LOUD(何号かは不明)より引用





また、1999年に REACT からもリリースしている BABY DOC 氏のインタビューも載せておきます。(LOUD何号かは不明)




★BABY DOCというのはある意味集団を形成しているように思います。例えばS.J、VIKKI REDなど。

「基本的には僕1人なんだけど、まわりの友達によって違った側面の発見なんかもあるのはいい事だと思ってるよ。VIKKIはDJだしS.Jも個人的に活動している。とにかく僕自身いろいろ違った文化をぶつかりあわせるのが好きだから、まったく1人でやるよりも参加する人達がいてくれた方が世界が広がるからね。ダンス・ミュージックの多くの人達は1つのものに凝り固まってしまう傾向があるけど、そんなの僕には退屈すぎる。今度ライブをやるんだけど、そこではパーカッショニストも呼んでバンドっぽい雰囲気をだしたいなと思ってる。今までのダンスミュージックのライブは視覚的にはまったくつまらないものだったから、もっと見せるってところにも気を使ってみたりもしてるんだ」

★DJのIAN MもBABY DOC一派なんでしょうか?

「IANもそういったメンバーの一人だよ。OPIUMって僕のレーベルがあるんだけど、これはもう儲けとか全く関係なく本当に好きなことをやるために設立したレーベルで、そこから出る作品を作ったりしてる。今後も色んな形で関わっていくと思うよ。IANは<TRADE>ってクラブのレジデントDJなんだけど、ここがけっこう僕らが作っているような音楽を協力にサポートしていてくれてるクラブなんだ。」

★OPIUMの話が出たので訊きますが、このレーベルのコンセプトは?

「僕が作っているような音楽がイギリス国内でどんどん人気が出てきて、新しいレーベルが次々に登場してきた。僕らがやりだした頃に「こんな音楽は理解できない」なんて言ってた同じ人間が売れるってわかったとたんレーベルを設立して似たようなものをどんどんリリースしてる。そんな状況から本当に好きなものだけ好きな時に出せるレーベルをって考えて設立に至ったんだよ、僕は本当にいい作品に出会うまではリリースも考えない。6ヵ月ぐらい出さなかったこともあるしね。特にこれといってレーベルカラーを限定しているわけじゃなくて、いい作品ってのが基準」

★あなた自身は最近メジャー・レーベルとの仕事、ペット・ショップ・ボーイズなどのリミックスを手掛けるようになりましたが、これはNU-NRGがある程度市民権を得たからだと言えるのでしょうか?

「メジャーとの契約によってそれだけ多くのリスナーに音楽を提供できるって事はあると思う。アンダーグラウンドな精神をかたくなに拒む人達もいるけど、僕はそれによって自分の姿勢が変わるとかってことは全く心配してないんだ。いいものはいい。それが全てだと思うからね。ペット・ショップ・ボーイズのリミックスの仕事は自分にとって挑戦って意味が強かった。今はリミックスの仕事はあまりしていないんだけどね。いい音楽が認められる、沢山のリスナーが増える、それにしたがってその音楽がアンダーグラウンドからオーヴァーグラウンドへと広がっていく。でもそれは決して売れ線を狙った結果だとかアーティストの姿勢を変えたって事ではないし、自然の流れだと思う。そういうことに抵抗がある人がたくさんいるけど、本質的なものをちゃんと自分がわかっていれば心配することじゃないと僕は思ってるよ。多くの人に受け入れられるというのは素晴らしい事だからね」

★この前、元相棒のJON THE DENTISTにインタビューしたんですが、彼はあなたの作品がますます速くなるから一緒に出来なくなったと言ってました。この意見には賛同しかねますか?

「JONはいろんな人にいろんなことを言ってるけど、どれも違う(笑)。2年間一緒にやってきて、彼の仕事ぶりも人間性も好きだけど方向性が違ってきたってのが理由の一つなんじゃないかな。だからって2人の仲が悪くなったとかそんな事では全くないよ。僕はダンスミュージックの域にとどまらずに自由にやっていきたいと感じてるんだ。僕の音楽をまた違ったレベルにもっていく為にもね。ファッションやトレンドとかに縛られずに自由にやっていきたいんだ。ジョンとやるのをやめて以来1人でやってきたけど今度ドイツのCOMMANDER TOMと一緒にやろうって話があるんだ」

★POSITIVAから出た「La batteria」はラテン・テイストのブレイクビーツでしたが、今後はいわゆる4つ打ち以外のこともやる機会は増えるんですか?

「「La batteria」はブラジルに出かけた時、実際にカーニバルのサンバのジャムセッションを録音してサンプリングして作ったんだ。あの時は50時間分ぐらいのテープに録音したのかな。今度はドミニク共和国に行こうと思ってる。すごく興味のあるぶーでぅーがあってね。そのセレモニーに参加していろいろと録音してこようと思ってるんだ。最近はそういう民族的な音楽に興味がある。ブラジルのアーティストが送ってくれたサンバの曲のリミックスなんかもやろうと思ってる。今度のあっるばむではそういう部分をもっとみせられるんじゃないかな。なんでも壁を取り払ってクロスオーバーさせるのが好きなんだ」

★アルバムはいつ頃リリース出来そうですか?

「今現在進行中なんだけど、スタジオのまわりにはいいレストランが一杯あってすぐ食べに行きたくなっちゃうんだ。おなかいっぱいになったら今度は散歩に出かけて・・・なかなか終わらないって違うか(笑)。いやメジャー・レーベルからのリリースってのは時間かかるんだよね。本当ならもう出てもいいんだろうけど、速くて夏終わりくらい遅くても冬前には出したいって思ってるんだけどね」

LOUD(何号かは不明)より引用


@Ken_Plus_Ichiro(aka NISH)氏




当時(1995〜1998年)の LOUD、ワープハウス関係のフライヤー(X-tra、CLUB LOVELY、CROSS OVeR 関連)をお持ちの方はレンタルか適価をお支払いするので是非情報を募集しています・・・!!
ツイッターアカウントは「DJイオさん (@lbtdjio) / Twitter」になります!



posted by DJイオ at 11:00| Comment(1) | 第1回〜第25回
この記事へのコメント
blu peterのインタビューはno24(1996年10月号、表紙はJosh Wink)に掲載されています。
Posted by tei-g at 2020年11月24日 23:13
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