ワープハウスバカ一代

2020年08月17日

第10回「Sharp Recordings というレーベルと Sharp Boys について」

Warp Your Body。DJイオです。
今回もワープハウスについて書いていきたいと思います。
今回は「Sharp Recordings」というレーベル、特に Sharp Boys というユニットにスポットライトを当てて行きます。
1994年にスティーブン・リアクト、ジョージ・ミッチェルというゲイカップルの 2人によって立ち上げられたこのユニットは、自分達のレーベルでのリリースと、Sharp Boys 名義での非常に多作なリミックスワークを行います。(2001年頃は浜崎あゆみのリミックスなども行っていました。)金太郎飴のようにどのトラックにも入っている非常にキックが厚いタフなビートは、メロディが入る以前に Sharp Boys だ!とわかる程でした。自分もこのような太いボトムの音源を作りたいのですが、なかなか上手くいきません。
レーベルの方は 2006年以降はリリースは行っていません。ちなみにレーベルのロゴでもある以下のイラストは、当時通称「スネオ」と呼ばれていました。




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1996年10月発売の LOUD に 2人のインタビューが載っていますので、まずはそちらを引用します。




★2人の生年月日、出身地を教えて下さい。


「スティーブン・リアクトは 1972年3月生まれ。北アイルランドのデリ出身、ジョージ・ミッチェルは 1962年11月生まれ、スコットランドのハミルトン出身」


★どうしてそれだけ年齢差がある 2人が一緒にやる事になったんですか?


「年齢差による意見の違い?ジョージは 54才で、スティーブンは 86歳だから・・・それはうそだけど。僕達は確かに 10才年が離れているね。
僕達は有名なっていうパーティが行われているクラブ TURNMILLS で日曜日に行われた今は亡きパーティで 4年前に出会って、音楽について話すようになったんだ。それが今も続いてるってワケ」


★具体的にどんな部分で気が合うのでしょうか?


「僕達は確かに一緒に住んでて、一緒に仕事もしてと、確かに殆ど一緒に同じ屋根の下にいるわけだけど、もちろん他の人達同様、食べ物やTVなど違う趣味嗜好を持ってる。でも、音楽だけは別なんだよね」

★スティーブンは HEAVEN などで DJ をしてるのは知ってるんですが、ジョージは DJ をやるんですか?もしやってるんだったら、どこの何というパーティか教えて下さい。


「クラブ HEAVEN での、クラブ THE END でので THE SHARP BOYS って名前で DJ をしているよ。あとは、など UK のクラブや、海外でレギュラー・ゲストとしてプレイしてる。


★ちなみに、スティーブン・リアクトっていうのは本名なんですか?


「本名だよ。彼のおばあちゃんは 1962年に REACT(イオ注:REACT って名前のレーベルが実在します。)を設立したんだ。(編注:冗談と思われる。)


★Sharp Recordings を設立しようと思ったのはどうしてですか?


「僕らの DJ で得た知識や経験と、クラブ・カルチャーへの愛に基づいたダンス・ミュージックを世に送り出すために SHARP を設立したんだ。」


★SHARP 名義で録音したリリースは、SHARP TOOLS が最初なんですか?


「SHARP 名義でのリリースは、話題になった「krazy Noise」。でも SHARP TOOLS 名義の「Volme One」が自分達だけで制作した最初の作品になる」


★それ以前に、各々違う名義で作品をリリースした事はないんですか?


「ないね」


★曲作りを始めたのはいつぐらいからなんですか?


「僕たちが曲を作ったり、リミックスをし始めたのは 1年半前からで、最初に手掛けたリミックスはキャンディ・ガールズの「Fee Fi Fo Fum」それからはラッキーな事にたくさんの依頼が来てるよ」


★あなたたちのビートは独特で、アルマン・ヴァン・ヘルデンのハードさに、UK のハードハウス・テイストが加わった感じと表現できると思うんですが、実際にどうやったらこのビートは生まれるんですか?


「ハードでディープでダビーなアメリカもののグルーヴ感が僕らのサウンドに大きな影響を与えてるのは確かだね。ビートのクリエイトにはかなり時間をかける。出来るだけタフなビートにするためにね。UK 産でも US のエッジが出てるってワケ」


★リミックスにおけるモットーみたいなのはありますか?


「リミックスにおけるモットー?基本的には、リミックスする曲は自分が回したい曲ということで、自分達のクラウドを前にしてプレイ出来ない曲や、自分達 100%満足しない曲ではリミックスを引き受けない。そうでなければ全く意味がないよね」


★最近はかなりハードワークですけど、作業をしてない時は何をしてるんですか?


「確かに僕たちはレーベルの運営やら音づくり、DJ とかなり忙しい。フリーの時にはごく普通のことをするのが好きだね。例えば、パーティ!!。海外旅行・・・あとは、僕らの新しい犬、"Charli" を可愛がるコト!」


★最後に、あの SHARP のロゴになっているイラストのモデルは実在するんですか?


「今の所ロゴのモデルはいないんだ。Tシャツやステッカーの問い合わせがいつもあるよ」

「LOUD」(1996年10月)





上記のインタビューでも出てきた SHARP TOOLS。
vol.1 と vol.2 ではまだ Sharp Boys としての音が完成されていない感じなので、1997年にリリースされた、「SHARP TOOLS vol.3」を紹介します。1997年リリース。





SHARP TOOLS VOL.3(曲名は明記されていません)
レーベルのカタログとしては 9枚目になります。





Sharp Recordings は Sharp Tools が出るまでは比較的地味なハウスが多く(Sharp Tools も派手とはいえませんが)、Sara Parker、Cool Jack などのリリースが続きます。例えばこんな感じ。





Cool Jack - Jus' Come(Sharp Blasted Dub)
1996年リリース。




1998年には「Sweetest Day of May」で有名な Joe T Vanelli のトラックもリリースされます。





Joe T Vanelli Presents SEXOGROOVE 98 Featuring Tony Bruno SHARP REMIX





さて、Sharp Boys は日本には 2回ほど来日しています。一度目は新宿 CODE。
パーティのタイトルを覚えてないのと詳細がネット上には無いんですが、これは私も行きました。仲が良さそうな2人がご機嫌で DJ してたのを覚えています。20年ぐらい前なのでプレイ内容は忘れてしまいましたが・・・。

2回目は「CYBERJAPAN ミレニアムナイト」イベントでの来日です。
こちらは「clubberia」にログが残っていました。

また、私が初めて Sharp Boys を聞いたのは X-tra の DJ TOMO の DJ で以下の曲でした。





DIVA SURPRIZE - ON THE TOP OF THE WORLD(THE SHARP BOYS REMIX)





このピークタイムの一歩手前のようなテンションとビートのタフさに驚き、すぐに CISCO に探しに行ったのを覚えています。
リリースは 1998年。Sharp のリミックスがどんどん増えて様々なトラックに提供するようになります。
1997〜1999年は Sharp Boys のピークだったといっても過言ではないかもしれません。


Sharp Recordings 外部のリミックスもどんどん紹介していきます。





Kinky - Everybody(The Sharp 'Sherbert' Mix)
1996年リリース。






Tin Tin Out - Dance With Me(Sharp Mad House Remix)
1997年リリース。






HAPPY CLAPPERS - I Believe 97(Sharp blasted remix)
1997年リリース。






Ce Ce Peniston - Finally(Sharps System Vocal)
1997年リリース。






Jump - Funkatarium(Sharp 'DTPM' Dub)
1997年リリース。






Billie - She Wants You(Sharp Ballroom Remix)
1998年リリース。






A Very Good Friend Of Mine - Just Round(Sharp Boys Master Blaster Remix)
こちらは 1999年リリース。






浜崎あゆみ - "SHARP BOYS U.K. VOCAL MIX"
あゆのリミックスアルバムからの一曲。2000年リリースです。





だいぶリミックスで忙しかったのか、Sharp Tools Volume Four のリリースは 2000年になってます。





SHARP BOYS - SHARP TOOLS volume 4(曲名無し)





2000年以降からはトランスブームの波が押し寄せ、トランスでもハードハウス程の速さでもなかった Sharp Boys はレーベルもリミックス業もだんだんとリリースが減っていきます。2006年にはリリースがストップしてしまうのですが、「Selekted」というレーベルより「Sharp Tools Volume 6」「Sharp Tools Volume 7」がリリースしています。2011、2012年とかなり前にはなってしまいますが。Juno Download で購入可能です。
2019年に「Sharp Boys feat Kenny C - Raise The Alarm」が junodownload から再発しているので、待っていれば過去の音源も買えるようになるかもしれません。と、今回はこの辺で終えたいと思います。




資料提供:Ken Plus Ichiro(aka NISH)(@Ken_Plus_Ichiro)




当時(1995〜1998年)の LOUD、ワープハウス関係のフライヤー(X-tra、CLUB LOVELY、CROSS OVeR 関連)をお持ちの方はレンタルか適価をお支払いするので是非情報を募集しています・・・!!
ツイッターアカウントは「DJイオさん (@lbtdjio) / Twitter」になります!



posted by DJイオ at 11:00| Comment(0) | 第1回〜第25回
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