ワープハウスバカ一代

2020年07月03日

第7回「日本発 MixCD シリーズ その3『CLUB LOVELY VOLUME 2』」

Warp Your Body. DJイオです。
今回もワープハウスについて書いていきたいと思います。前回紹介した Happy Classics の続編となった MixCD です。
1995年8月に NAO NAKAMURA とオーガナイザーでもある SAWA の 2人をレジデントとしたパーティ「CLUB LOVELY」が始まりました。今回新たにレジデントとして DJ UIROH 氏も入ったのですが、CD には直接はかかわってないようです。
X-TRA、CROSS OVeR と並び、ワープハウス 3大パーティの中のひとつ、CLUB LOVELY。X-TRA 同様、レジデント DJ を基本に開催され、海外からは Blu Peter と Mrs. Wood を招いたのみです。
今回はそのパーティのオフィシャルミックスCDでもある、表題の CD『CLUB LOVELY VOLUME 2』を紹介します。




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選曲と Mix は SAWA、最後に収録されている「Karen Ramirez - LOOKING FOR LOVE(NAO’S BLUE Mix)」のリミックスは NAO NAKAMURA 担当です。
発売は 1998年12月6日。前回の Mix から 9カ月ぶりです。この CD の後、2000年に「CLUB LOVELY - PROGRESSIVE + TRANSCEND」が発売されていますが、
そちらはトランスを軸にしたものであり、本連載の主題から外れるので扱いません。
この CD にも YO-C の Mix 同様、クラブ雑誌「LOUD」編集長 DJ19 の詳細なライナーノーツがあるのでそれを記載しながら注釈をつけていきたいと思います。




↓↓↓以下、「CLUB LOVELY VOLUME 2」に付属する、LOUD 編集長 DJ19 によるライナーノーツ↓↓↓




1. Funky Choad & Nick Skitz - THE ULTIMATE(TALL PAUL REMix)



オーストラリアの CENTRAL STATION からイギリスの FIRE ISLAND にライセンスされ、トール・ポールが Mix CD「The Gallery Modern Masters vol#1」にて使用した事によりヒットしたナンバー。ここに収録されているされているのは、その後 FFRR からリリースされた時に追加されたトール・ポールのリミックス。




2. 666 - ALARMA(UNTIDY DUB)



先頃アルバム「Paradoxx」を発表したドイツのユニット。「Spin VOL.10」にも早々と収録されていたが、ここで使用されているのは STRESS のサブレーベル、DANCETERIA からリリースされたヴァージョン。
TIDY TRAX アンダーグランドレーベル路線を進めるアンタイディと、KOOL WORLD などのなどの運営で知られるグラハム・ゴールドのリミックスを 2枚使い。




3. 666 - ALARMA(GRAHAM GOLD REMix)



上記を参照の事。




4. Karen Ramirez - TROUBLED GIRL(WAY OUT WEST Mix)



アルバム「ディスタント・ドリームス」を '98年6月にに日本で先行発売したカレン・ラミレスのデビューシングル。
元々イタリアの BUSTIN'LOOSE から 5枚組で発売されたもので、ここで使用されているヴァージョンはイギリスの MANIFEST から発売される際に収録されたもの。
WAY OUT WEST は、ブリストルを拠点に活動するプログレッシヴな 2人組。

<イオ注釈>
WAY OUT WEST は哀愁的(プログレッシヴハウス)なリミックスをかなり作ってきました。
もしかしたら今後の連載に登場するかも・・・?




5. Jose Padilla - WHO DO YOU LOVE(CHICANE REMix)



イビサの顔として長年<CAFE DEL MAR>の DJ を務めたホセ・パディーヤのソロ・アルバム「スーヴェニーア」からの先行シングル。
元々彼が編集するコンピレーション・シリーズ「Cafe Del Mar Volume Cuatro」に収録されていた「Que Bonito」にヴォーカルを追加したもので、リミックスをシケインことニック・ブレイスガードルを手掛けている。

<イオ注釈>
イビサは世界有数のリゾート地として知られ、多数の巨大なクラブがあります。そんな中でチルアウトの聖地とされている CAFE DEL MAR は音楽と波の音の中、夕日が地中海に沈むのを見届けられる有名なこの地にいつかは行ってみたいものです。
「イビザボーイズ GO DJ!」なんて映画もありました。(童貞がイビザで DJ で人気になってモテよう!って映画だった気がします・・・)CAFE DEL MAR は多数の MixCD も手掛けています。
CHICANE は元々大好きなユニットで、哀愁だけどトランスまではいかない、今ではプログレッシヴハウスというんでしょうか。そんな曲やリミックスを沢山作りました。



私が大好きな「Offshore」もここに挙げておきます。




6. Electribe 101 - TALKING WITH MYSELF’98(CANNY 12”VOCAL)



ジュリアン・ジョナーのハウス・クラシック「Jealousy」をベースにし、'90年に全英23位を記録したナンバーの '98年バージョン。
前述したコンピの最新版「Cafe Del Mar Volume Cuatro」の目玉トラックとして収録された。リミックスを手掛けたカニーは、ティン・ティン・アウトやザ・スペースブラザーズらの仕事でも有名。




7. Karen Ramirez - LOOKING FOR LOVE(TROUSER ENTHUSIASTS JOY OF SEX Mix)



TROUBLED GIRL に続くシングルで、エヴリシング・バット・ガールのカヴァー。リミックスを手掛けた通称ズボン狂(C)田中こと
トラウザー・エンスージアスツは 30枚以上のリミックスを手掛ける人気リミキサーチームで、イアンとデヴィットが制作面を担当し、そこに女性ヴォーカリストのモーが作画しており、ハイピッチなヴォーカル・リミックスを得意としている。




8. Nalin & Kane - BEACHBALL(TALL PAUL REMix)



<CLUB LOVELY>第3の男、UIROH の MixCD「クラブマスターズ02」にも収録されていたデュッセルドルフのデュオによるイビサ・クラシック。
'97年にドイツの MORTOR からリリースされ、同年にイギリスの HOOJ CHOONS、そして FFRR へとライセンスされ、'98年に再度 FFRR からリリースされた。
ここで使用されているのはトールポールによる最新の '98年バージョン。




9. YO-C+TOMO FEATURING RIE - LOVE IS HYPNOTIZIN(NAO’S LOVELY EXPLOSION)



<イオ注釈>
これは連載の第二回(http://warpbaka.pico2culture.jp/article/187391144.html)で取り上げたのでここでは省略させて頂きます。





10. Mary Kiani - I IMAGINE(EDDY FINGERS EMF EDIT)



前作では「100%」が収録されていたが、今回は彼女の 2ndである両A面シングル「I Give All To You / I magine」から「I Imagine」をピックアップ。'95年全英 35位。メアリー・キアニはスコットランドのディーヴァで、ザ・タイム・フリクエンシーに在籍した事で有名だが、同じくスコットランドのユニット、ソロの「Come On!」に在籍していた経歴を持っている。




11. 2 Unlimited - NEVER SURRENDER(PERPETUAL MOTION REMix)



ヴォーカリストにロミ&マリオンを迎えた新生 2アンリミテッドの 1st アルバム「ワナ・ゲット・アップ / U」から。リミックスを手掛けたパーペチュアル・モーションは、
ジュリアン・ナポリターノとアンディ・マンストンから成るコンビで、CROSSTRAX から POSITIVA にライセンスされた「Keep on Dancin'(Lets Go)のヒットで有名。マンキー名義でもヒットを放っている。

<イオ注釈>
ご存じの方も多いかもしれないが、2 Unlimited 自体は 1991年にデビューしたハードコアテクノユニット。



こんな曲を作っていました。パーペチュアル・モーション自体は今後の回で特集したいと思います。




12. The Space Brothers - FORGIVEN(I FEEL YOUR LOVE)(QATTARA REMix)



リッキー・シモンズとスティーブン・ジョーンズのコンビからなる The Space Brothers の「Shine」に続く 2ndシングル。
彼らは、HOOJ CHOONS ではラストラル、PERFECTO ではアセンション、INNOCENT からはエッセンス名義でも作品をリリースしている。
リミックスを手掛けたクァタラは、BIG C ことアンディケイトとアレックス・ウィットコムなら成るコンビ。




13. Trevor Reilly - DOWN WITH THE UNDERGROUND(GROOVEDIGGAZ Mix)



こちらも「クラブマスターズ02 に収録されていたナンバーで、最も問い合わせが多かった曲。ただし、SAWA が使用したのはオリジナルではなく、一番メランコリックだったグルーディガンズのリミックスバージョン。トレヴァー・レイリーはスコットランドのシーンで 15年以上に渡って活躍し、テクノをメインにプレイしていたが、ここ数年はハウス寄りなアプローチを試みている。




14. 2 Unlimited - Wanna Get Up - WANNA GET UP(SASH! EXTENDED)



イギリスではアイドルやポップ系のアーティストのリミックスを匿名的にリリースする場合があり、ダニー・ミノーグを DM、ボーイゾーンを BZ、そして 2 Unlimited は U 名義でプロモをプロモを流通させていた。
QXのチャートでもロング・エントリーしたこの曲は、新生2アンリミテッドの第一弾シングル。
ここでは 2ndアルバムをリリースしたばかりの SASH! のリミックスが使用されている。




15. Deep Sea 9 - LOST IN THE OCEAN(EXTENDED Mix)



全世界の女性を虜にしたレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレット主演の映画、「タイタニック」を見た者だけが解るというラスト・ナンバー。ドイツの HOUSE NATION からのリリース。
<CLUB LOVELY>が心底好きな人は、朝の4時以降が一番楽しいと言います。それはこの MixCD の終盤の展開でお解りでしょう。さて、これにて Mix パートは終了。




16. KAREN RAMIREZ - LOOKING FOR LOVE(NAO’S BLUE Mix)(BOUNS TRACK)



<イオ注釈>
LOVELY の名物となったのは、今回 2曲も収録されている KAREN RAMIREZ のリミックス。このボーナストラックでこの CD は終わりになります。




↑↑↑以上、「CLUB LOVELY VOLUME 2」に付属する、LOUD 編集長 DJ19 によるライナーノーツ↑↑↑




簡単な解説
『CLUB LOVELY VOLUME 2』を通して聴いたのは、前回 1998年3月から 1998年の 12月になって、突き抜けたような爽やかな曲が多いという事です。
ワープハウス全曲では通してファンキーなものも多いのですが、今回の Mix は少しベクトルが違ってきます。
よって次の MixCD が「CLUB LOVELY - PROGRESSIVE + TRANSCEND」になったのも分かります。
98年にはじわじわとトランスの流れが来ていたんですね。

次回は「CROSS OVeR」の MixCD を紹介して、次は MixCD ではなく、海外のレーベル紹介に移りたいと思います「WARP ESSENCE」などまだ日本の CD はあるのですが・・・。




当時(1995〜1998年)の LOUD、ワープハウス関係のフライヤー(X-tra、CLUB LOVELY、CROSS OVeR 関連)をお持ちの方はレンタルか適価をお支払いするので是非情報を募集しています・・・!!
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posted by DJイオ at 11:00 | 第1回〜第25回