ワープハウスバカ一代

2020年06月01日

第5回「日本発 MixCD シリーズ その1『YO-C / INTO THE WARPHOUSE』」

Warp Your Body. DJイオです。
今回もワープハウスについて書いていきたいと思います。
日本では過去に東芝EMI から「STYLE」という名を冠した MixCD のシリーズがリリースされていました。SHINKAWA や DJ TOMO などもリリースをしています。
その中で満を持して登場したのが STYLE の第7弾、YO-C「INTO THE WARPHOUSE」です。ワープハウスの名をそのまま使ってる CD はこれしか見た事が無い気がします。リリースは1998年11月26日。
1998年の LOUD 編集長、DJ19 のライナーノーツがとても充実しているので、それを記載しながら注釈をつけていきたいと思います。




↓↓↓以下、LOUD 編集長 DJ19 のライナーノーツ↓↓↓




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1. Digital Domain / I Need Relief



実に YO-C らしいスタートだ。XVX、EDGE と同系列の RABBITCITY の音源の中でも、非常に古いカタログである 3番をピックアップしている。
こうしたレコードは、ロンドンに留学し、当時<TRADE>などで遊んでいた YO-C だからこそ選曲。
RABBITCITY は非常に匿名的な作品のリリースで。コアな DJ にファンが多い。ここに収録された曲は、シャープボーイズ(後の回で特集します)
「Sharp Tools Volume 3」で使ったサウンズ・オブ・ブラックネスの 1991年のヒット「The Pressure」など、多数のサンプルがごっちゃになっている。

<イオ注釈>
RABBITCITY の 3番は 1992年リリース。YO-C のプレイで有名になったカタログでした。逆に YO-C 以外の DJ がかけているのを見た事がないので、ワープハウスというより YO-C アンセムと言った方がいいかもしれません。




2. Skinky Pink / Last Train To Kings Cross(Banging Club Mix)



ポールキャッスルとパーペチュアル・モーションのジュリアン・ナポリターノから成るユニット。
ニューオリンズジャズとハウスを合体させた楽器的な作品で、オリジナルは CROSSTRAX から 10インチでのリリース。
先頃(1998年)POSITIVA にライセンスされリリースされたばかりである。
トラック11 のリミックスを手掛けたリズム・マスターズはロブ・ケスクーティとスティーブマッギネスとコンビから成る。トッドテリー・チルドレンとも言うべきサウンドで人気を博している。




3 & 4. Bamboo / The Strutt


本動画は KLM Pandemonium Part II

バンブーとは、CENTRE-STAGE を運営するプロデューサーのアンドリュー・リヴィングストーンのプロジェクトである。
この曲は「Strut Your Funky Stuff」のカバーで、同サンプルを一足先にファンキーファントムが「Get up Stand up」で使用したいたことからも話題を呼んだ。




5. A Vs B / Ripped In 2 Minutes(Untidy Dub)



ハウスクラシックであるジョマンダの「Make My Body Rock」をネタにした作品。仕掛け人は AMEN!UK のバノス・リアッシュで、ヴォーカルも同じく AMEN! からルヴァイン・マキシメン。
本作も元々は AMEN! 名義でリリースされる予定だったが、急きょ A Vs B のリリースになった。AMEN! はポール・マスターソンのユニットのイメージが強いため、誤解が生じるのを避ける策だと思われる。




6. Perpetual Motion / Keep On Dancin'(Let's Go)(Banging Club Mix)

DJ のアンディ・マンストンとジュリアン・ナポリターノのコンビによるユニット。
この曲がパーペチュアル・モーション名義での 1st トラックになる。サンプル元は dop の「here Go」

<イオ注釈>
この曲は大ヒットし、殆どのワープハウス DJ が持っていると言っても過言ではないトラックになりました。元ネタを聴いてもらうとわかりますがが、音色以外かなり殆ど丸々使っているトラックと言ってもいいでしょう。


dop / here Go






7. Tin Tin Out Sometimes(Camisra Remix)



セッション・ミュージシャンとして活躍していたリンジー・エドワーズと DJ のダレン・ストロークスから成るユニット。

<イオ注釈>
ヒット曲も多数ありますがここで登場したのは TALL PAUL の別名義のリミックス。TIN TIN OUT については改めて紹介したいと思います。Tin Tin Out はメジャー寄りな展開だが、アンダーグラウンド路線はベイビー・ブルー名義で対応している。





8. Camisra / Feel The Beat(Sunglasses Ron Remix)



<イオ注釈>
前回の TALLPAUL 特集でも紹介しましたが、CAMISRA 名義での 2作目となります。Sunglasses Ron も TALLPAUL の別名義。

元々は彼が運営する SKY HIGH でのリリースされクラブヒットした曲だが、サンプル部分を引きなおして :VC: からの再リリースとなった。
印象的なリフのベースとなっているのは、ハッピーハードコアクラシックとなっているヒクシー&サンセットの「Peoples Party」更に元を辿ればハードコアクラシックであるプロブレム・ハウスの「Party People」となる。


Hixxy & Sunset / Peoples Party




Problem house / Party People


いやー、元ネタ探しすると意外な所から持って来たりしているんですね。




9. TALL PAUL / Rock Da House(Funky Garden Mix)



<イオ注釈>
続けてTALLPAULの作品になります。前回紹介しましたね。Funky Garden名義はFrancois Louwersが行っています。




10. Blondie / Atomic '98(Tall Paul Remix)

<イオ注釈>
さらに続けての TALLPAUL のリミックス。こちらも前回紹介しました。こうやって見るとワープハウスのかなりの部分を TALLPAUL がしめてる事に・・・と思いますが紹介したいユニットやレーベルはまだたくさんあります。




12. Daz Saund & Ben Tisdall / Juggernaut



<イオ注釈>
11 の曲は 2曲目のリミックス違いなので端折ります。

1997年度、テクノ DJ もハードハウス DJ もこぞってプレイした 1曲。ダズ・ソーンドは<TROLL>や<TRADE>でのプレイが伝説化している DJ で、YO-C の師匠でもある。
ベン・ティスドールはリッツォ、トリガー、セイント・アンズ・パッション、RMS らの名義で作品をリリースしており、ゲイ・シーンでは人気の高いクリエイターだ。
また、ダズ・ソーンドは、このプロジェクト以外にもトレヴァー・ロックリフとのコンビでD+T、ブラック&ブラウンの名義で作品をリリースしている。
なお、YO-C はワープハウス DJ の中でもこうしたミニマリスティックな作品を組み込むことで定評がある。




13. Camisra / Let Me Show You



<イオ注釈>
この曲は前回紹介した TALLPAUL の代表作です。1997、1998年は TALLPAUL がワープハウス好きに広く浸透した年でもありました。




14. Force Mass Motion / V.N.E.



再び RABBITCITY の音源から。こちらはカタログ 5番で、「Chase EP」としてリリースされたレコードの A2 収録曲。マイケル・ウェルズが制作。つまり「Listen To The Rhythm Flow」らのヒットを放った GTO(グレーター・ザン・ワンの略)の 1人。彼らはほかにもトリッキー・ディスコ、チャーチ・オブ・エクスタシー、ジョン&ジュリーらの名前で多数のレーベルからレコードをリリースしており、レイヴ期に一躍注目を集めている。
その後もテクノヘッドなど多数の名義を使い分けるが、メンバーのリー・ニューマンが 1995年に癌で亡くなってしまい、このところ活動がおとなしくなっている。

<イオ注釈>
この曲も 1992年リリース。主に YO-C がプレイしていました。RABBIT CITY、EDGE、XVX などは YO-C のイメージが非常に強く、ワープハウスというよりこれも YO-C アンセムと言えるかもしれません。




15. YO-C+B.U.S.Featuring Kaori / Beat Per Love



<イオ注釈>
この YO-C が作ったトラックはこの連載の第2回「Paratone」で紹介しています。




16.YO-C+B.U.S.Featuring Kaori / Beat Per Love(Poly-Mod-Mix)

この Mix は Beat Per Love のアナログを持っている人とこの CD でしか聴けません。私はアナログを買い逃してしまったのでこのトラックは CD でしか聴いた事がありません・・・!
この MixCD 自体は Amazon などでも売っているので、現在(2020年)でも安価で購入できます。




それでは今回はこの辺で。CLUB LOVELY、CROSS OVeR も MixCD を出していたり、WARP ESSENCE といったシリーズもありますので、おいおい紹介していきたいと思います。




↑↑↑以上、LOUD 編集長 DJ19 のライナーノーツ↑↑↑




当時(1995〜1998年)の LOUD、ワープハウス関係のフライヤー(X-tra、CLUB LOVELY、CROSS OVeR 関連)をお持ちの方はレンタルか適価をお支払いするので是非情報を募集しています・・・!!
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posted by DJイオ at 11:00 | 第1回〜第25回